車で交通事故に遭った
先日、自動車を運転中に事故に遭いました。走行中の自動車同士の事故です。
幸い、両者怪我人は出ませんでしたが、車は破損しました。
被害事故なのに、理不尽な過失割合がつく
この事故は事実上、私が被害者の「被害事故」だったのですが、両者走行中の事故の場合、保険会社が決める「過失割合」は、自分0:相手10には絶対ならないんですよね。
大抵は3:7とか4:6とか、加害者も納得するような数字にされてしまう。それでは納得がいかない。
泣き寝入りしないように、頭を使った
私は過去に被害事故の過失割合で泣き寝入りしたことがあるので、今度はそうはさせないと思い、頭を使いました。
もちろん、ズルイことをするわけではありません。自分のため、正義のための奮闘です。
結果、過失割合1:9、補償割合0:9(私は相手車両を一切補償しなくていいという意味)になりました。
私に過失が1付きましたが、私の保険・金銭的負担が「0」になったので納得しました。
私が被害者である被害事故であることも認定してもらえました。
今回はそんな私が実践した「自分が悪くない自動車事故の過失割合を有利に・ほぼゼロにする方法」を紹介します。
もしあなたが交通事故で私と同じような事態に見舞われた時に、この記事の内容がお役に立てれば幸いです。
「被害事故」「自分が悪くない事故」というのは、勝手に自分が被害者だと思い込むことではありません。「事実上の被害者」である場合だけを意味します。
私が「過失割合」を有利に・ほぼゼロにした方法
1.事故直後、相手に非を認めさせた
相手に重大な過失がある場合、事故を「お互い様」なんて思ってもらったら困るんですよ。「自分が悪かった」と思ってもらわないと。
相手が自分の過失を認めているかどうかが、その後の証言内容に大きく影響するはずです。
過失割合って本当に怖いもので、相手が非を認めなかったり、嘘の証言をすると、それで相手に有利なようにコトが運んだりするんです。
それを防ぐためには、まず相手に「自分が悪かった」という意識をしっかり持ってもらうことが重要だと考えました。
だから私はまず事故の相手に「あなたが悪いのですよ」と強い口調で伝えました。
すると相手は「見えなかった」と言い訳をしました。
自動車の運転において「見えなかった」は「見ていなかった」と同義です。
相手が目視確認を怠ったことが事故につながったことを認めさせました。
この際、万全を期すなら、事故相手との会話をスマートフォンの録音機能等で記録しておくと良いでしょう。証言内容が後からコロコロ変わる人も、最初は色々考えていないので正直なものです。後から言い分を変えてきたとしても、事故当時の発言を録音しておけば盾になります。
2.事故車両の写真を撮った
それぞれの車の損傷箇所の写真を何枚も撮りました。
これは「ぶつかった時の速度」や「車の向き・位置関係」などの証拠になります。
また、相手の車には今回の事故とは無関係の傷や凹みがたくさんありました。
どの損傷が今回発生したものなのかを示すためには、双方の車の写真を撮っておく必要がありました。
下の写真を見てください。これは実際の事故相手のクルマを撮影した写真です。
このように、当時の事故とは関係がない損傷がたくさんありました。
そして、どれが当時の事故に関係する・しないを示すために上記のような画像を用意して、後に保険会社に提出しました。
最終的に「相手の車の修理費用」を負担することになった場合、今回の事故と無関係な過去の損傷まで補償する必要は無いですよね。補償するのは今回発生した損傷だけでいいはずです。それをはっきりさせるために、既存の損傷を指摘する写真を撮りました。
3.ドライブレコーダーの映像を現場で確認した
その時起きた事を、何1つ忘れてはいけません。ドライブレコーダーに記録された映像を確認して、事故の瞬間を何度も見直しました。
- 双方の車の動き
- 自分が取った回避行動
- 一切回避行動をせずに突っ込んできた相手
- 結果的に起きた事故
その全てを把握し、理解しました。
何度も映像を見て、事故について事実を確認し、記憶に焼付ける。
事実を正確に把握して、それを保険会社に説明できれば良いわけです。
そして、事実以外の感情とか意見は要りません。
ドライブレコーダーの映像を見れば、自分の運転に過失が無かったか、どうすれば事故が避けられたかなど、発見や考察ができます。自分に過失があった場合、その証拠にもなるので、嘘を付かずに済みます。とにかく現場で確認することが大切です。
4.保険会社の人に自分が被害者であることを伝えた
この事故において自分が被害者であるという意思(=事実)を保険会社に伝えました。
ひいては過失割合に「自分0:相手10」を希望するということを伝えました。
過失割合は交渉していくうちに、双方の妥協点に向かって近づいていくのが普通なので、最初に提示される割合は重要です。
基本的には過去の「判例」をもとに過失割合が決まってくるといいますが、判例は1要素に過ぎず、やはり当事者の証言や主張も過失割合を左右するようです。
ならば、
- 「どちらにも非がある、5分5分かな」というスタートラインと、
- 「明らかに一方に過失があり、もう一方は被害者という状態、これは10:0ですね」というスタートラインでは、
着地点が違ってくるのは明白です。
私が過去に泣き寝入りした事故の時には、相手が相手方の保険会社に言った「私が急いでいたようだ(だから事故になった)」という根拠のない証言によって私が不利になりました。
その話を聞いた私の側の保険会社は、相手に「自分の勘違いで、やっぱり急いでいなかった」と証言を訂正させるように助言してきました。
このように、当事者の「一言」で結末は変わるのです。
5.ドライブレコーダー映像に補足資料を付けて保険会社に提出した
ドライブレコーダーの映像は、確かな記録として重要な資料になります。しかし、それだけでは不十分です。
映像には映っていない運転操作や、運転者がどのような判断をしたのかは、ドライブレコーダーの映像を見ただけでは伝わりません。
だからこそ、自分がどのような判断をして、どのような操作をしたのかを伝えることは重要です。
事故回避行動を取ったのか?
運転操作が事故にどのような影響を与えたか?
それはすなわち事実としての「過失の割合」を意味するからです。
そこで私は、ドライブレコーダーの映像に解説を補足する資料を作成しました。
映像の裏側を解説する補足資料
「道路と車の略図」を描いて、その時何が起きたか、どの時点でどのような判断と操作をしたかを詳しく説明しました。説明はブログ記事のようにロジカルにまとめました。
それを4コマ漫画のようなかんじで何通りか並べて、1枚の紙にプリントして担当者に提出しました。(画像ファイル・PDF等のデータで提出しても良いと思います)
参考までに、私が作った資料は以下のような様式です。
その他、事故現場で撮影した「車の損傷部分の写真」など、提供できるすべての資料と説明を提出しました。
「相手が事故の原因を作ったこと」、そして「私の的確な判断と運転操作によって事故の程度が小さく済んだこと」を伝えたのです。
すごくアナログな手法ですが、これで良いんです。口述よりもずっと解りやすくて参考になる資料です。
また、車の損傷部分の写真は、証言や略図が説明する事の裏付けになります。複数の資料を提出することで、それぞれの資料が助け合うのです。
私はパソコンで略図を描きましたが、様式は何でも良いと思います。
チラシの裏にペンで道路を書いて、そこにミニカー2台並べてケータイで写真を撮るのでもいいじゃないですか。説明文は手書きでもいいし、文章だけパソコンで打ってもいいですよね。
とにかく、口述よりも参考になる資料を提出すれば良いのです。
また、相手が嘘の証言をした場合、証言が矛盾して話がもつれますが、より信用できる証拠や資料を提出した側の言い分が優位に扱われるのは当然です。
補足資料があると、事故がすごくよく解る
事故の詳細を説明する資料を見ながらドライブレコーダーの映像を見ると、第3者にも事故の様子がものすごく詳細に理解できるんです。
見た人がまるで当事者であるかのように事故のあり様を理解し、同時に「私が最大限の事故回避行動を取ったこと」、「相手が一切の事故回避行動を取らなかったこと」も保険会社の人にしっかり伝わりました。
ドライブレコーダーの映像だけでは、なかなか詳細な事実が上手く伝わりません。せいぜい「あーまぁあっちの車が悪いよね」くらいのものです。
それを「映像+資料」によってより完全な情報にすることで、「完全にあっちが悪いわ。この人は被害者。」という判断をしてもらえるところまで持って行ったんです。一手間かけた甲斐がありました。
【結果】自分の過失割合がほぼゼロに
結果、過失割合1:9:、補償割合0:9で決着。納得のいく過失割合を勝ち取ったのでした。
保険会社の人のお話によると、相手方を納得させるために、便宜上私に過失を1残す形になったようですが、
「本当は私は悪くないから相手車両を一切補償しなくていい」という意味で、補償割合が0になっています。
この結果を私は「過失割合がほぼゼロ」と表現することにしました。
色々頑張ってよかった
ここまでにご紹介した、私が実践した色々なこと。
すべてやっていなかったとしたら、たぶん過失割合は3:7とか4:6等になっていたと思います。それは許せない。
だから私は、公正な・事実に基づいた過失割合の認定を求めて行動したのでした。
色々頑張ってみて良かったです。正義は勝つ!
まとめ:正確な情報を積極的に伝えれば、過失割合は事実に近づく
私は過去に「過失割合」で酷い目にあったことがあります。被害事故なのに、加害者と同じくらいの過失を認定されたんです。
当時は若かったので「事故って、そういうもんなんだな…」と、理不尽な結果に納得できないまま泣き寝入りしたのを覚えています。
そういう経験があるので、私は自動車事故は怖いなーと思うし、「過失割合」というものが憎いです。
でも今は少しだけ賢くなりました。「過失割合」を有利に・公正に持って行くことができるようになりました。
事故の当事者になったら積極的に行動しよう
誰だって交通事故の当事者にはなりたくないし、事故の経験なんて積んでも何も嬉しくないでしょう。
しかし、もしも事故の当事者になってしまった時は、その後の行動が結果を左右し、自分の行動は経験になります。
過失割合が公正な・事実に基づいたものになるように、自分から積極的に行動しましょう。
ドライブレコーダーは本当に役に立ちました
今回の事故で、私はいろいろな手を尽くしましたが、
何よりも決定的な証拠である「ドライブレコーダー」の映像が無ければ、上手くいかなかったと思います。
こういう「もしも」のために、ドライブレコーダーを付けていて本当に良かったなと思います。
「ドライブレコーダーの映像」+「補足説明」が、保険会社に対してアピールできる最大限の当事者証言だと思います。