ラズベリー、ブラックベリー、ボイセンベリーなどの「木苺系のベリーの実」は、雨にあたると実が傷むことがあります。
雨続きで湿った状態が続くと、実にカビが生えることもありますよ。
そのため、実が膨らんで色づいてくる頃には「雨よけ」をしてあげる必要があります。
ということで今回は、私が栽培しているボイセンベリーの鉢に『雨よけシート』を設置する様子をご紹介します。
ベリーの実の雨対策の方法の参考になればと思います。
私は現在「ボイセンベリー」を栽培しているので、以下本文ではベリーの種類をボイセンベリーだけ表記する箇所もありますが、ラズベリー・ブラックベリー等を栽培している人も参考にしてください。
ボイセンベリーの実が傷む原因は雨だった
数年前、私がまだベリーの木に「雨よけ」をしていなかった頃、収穫を楽しみにしていたボイセンベリーの実がときどき酷く傷んでいることがありました。
艶々だった実の表面がカサカサになったり、腐敗したりするのでした。
多少傷んでも食べられる程度のものもありますが、中には食べられないほどに酷く傷むことも。
ボイセンベリーの実の収穫期は、ちょうど梅雨時。
雨続きで収穫できないまま何日か経って、その間ずっと「雨ざらし」にしていると、実が傷んでしまいます。
ボイセンベリーの栽培を始めた頃、私は「雨で実が傷む」ということを知らなかったので、なぜ実が傷むのか解らずに困っていました。
実が傷む原因を初めは「虫のせい」だと思っていたのですが、後に「原因は雨」だと判明。
その後、雨よけシートを設置するようになってからは、実を雨でダメにしてしまうことが1つも無くなったので、収穫期の「雨よけ」は大切だと思います。
ブルーベリーの実はいくら雨に打たれても平気なのに、ボイセンベリーの実は雨に打たれるとすぐに傷むのです。
ボイセンベリーなどの実の皮は非常に薄く繊細なので、雨粒でも傷付いたりするのかもしれませんね。
雨よけシートを設置する
ということで、ベリーの木に実がなる頃には、何らかの「雨よけ」を施しましょう。
私が毎年やっているのは次のような方法です。
「雨よけシート」を用意する
私は下記の「家庭菜園向けの雨よけシート」を購入して使っています。
大きなシートが折りたたんで入っているので、端から必要な分ずつ切って使っていますよ。
私は初め「ゴミ袋」を使って雨よけにしていましたが、「見た目が悪い」「破れやすい」という問題があったため、ちゃんとした園芸用を使うようになりました。やっぱり、園芸用は丈夫で使いやすいですね。
栽培支柱の上からシートをかける
木苺系のベリーの木は「トレリス」や「ラティス」「リング支柱」などの支柱に沿わせて栽培することが多いですよね。私は下の写真のような「L字型のトレリス」を使っています。
そして、トレリスの上に「雨よけシート」をかぶせると、鉢植えのトレリスが「小さなビニールハウス」のようになります。
このように、栽培に使っている支柱を利用して「雨よけシート」を設置すると、すぐに雨よけができます。
ラティスやネットなどを使って「壁面」で栽培している場合は、上端からカーテンのような形で雨よけシートをかけることになるでしょう。
雨よけシートをしっかり固定する
「雨よけシート」は風を受けてバタついたり、飛んで行ってしまう可能性があるので、支柱などにしっかりと固定しましょう。
上部から順に、横のほうまで、要所要所を留めていきます。
棒状の支柱の場合は「パッカー」という留め具を使うと、雨よけシートと支柱をしっかり固定できますよ。
ラティスなど、パッカーが固定できない支柱の場合は「樹脂製スプリングクランプ」などの強力なクリップを使うと良いでしょう。洗濯ばさみは固定力が弱いのでお勧めできません。
水が溜まらないようにする
私は、平面ではなく立体的なトレリス支柱を使っているので、雨よけシートは「カーテン」のようには垂れ下らず、「屋根」のような形になります。
このような場合、上に雨水が溜まらないように天面を「斜め」にしておくと良いでしょう。
私は、雨水が流れ落ちていくように、片側(後ろ側)を低くしています。
蒸れないように、風が抜けるようにする
「雨よけシート」で囲むと雨はかかりませんが、中は蒸れやすくなります。そこで、適度に隙間を空けておくことがポイントです。
基本的に、雨は上から降ってくるものなので、側面の一部や下のほうはオープンな状態でも大丈夫です。
私は「上半分」だけを雨よけシートでカバーして、さらに「前側」は通常開けた状態にしています。
さらに、私が使っているような立体形状のトレリス支柱などでは、上部が屋根のようになって湿気が溜まりやすくなります。
そこで、上部の左右側面に切り込みを入れて、風が通るようにしています。
この細い隙間から雨が入ることはほとんど無いので、まったく問題はありません。
さらに!私と同じように「雨よけシートを屋根型に設置する場合」には、風が抜けるようにしておかないと、強風が吹き込んだときに支柱ごと飛んで行ってしまう可能性があります。
そこで、上部から空気が抜けるようにしておくと安心で、上の写真にある「蒸れを逃がす切り込み」から風が抜けるので、強風時にも雨よけシートが飛んで行ったことはありません。
念のため、支柱の固定を強化する
「雨よけシート」を設置すると、ベリーの木を栽培している支柱などの全体が風を受けやすくなります。
ここまでに、
- 雨よけシートが飛ばされないようにしっかり固定する
- 風が抜けるようにしておく
という対策をしているので、基本的には大丈夫だとは思いますが、強風・台風などは自然のことなので何が起きるかわかりません。
最悪の場合、支柱や植木鉢ごと倒れる可能性が想定できます。
そこで、雨よけシートを設置する場合には、支柱の固定を強化することをお勧めします。
私は、支柱の下、植木鉢の両サイドに「重り」を置いて、支柱と重りを丈夫なベルトで接続してガッチリと固定しています。
これにより、植木鉢も支柱もびくともしない状態になっていますよ。
私が使っている重りはコレ
この「重りによる補強」は、雨よけシートを設置する期間以外にも、支柱や植木鉢が倒れることを予防できるので、数年前に設置して以来ずっと継続しています。
雨よけシートの効果は?
「雨よけシート」を設置するようになってからは、ボイセンベリーの実が雨で傷むことは一切なくなりました。
ボイセンベリーの実はすべて綺麗な状態で収穫できるようになり、今年も美味しくいただいています♪
これからも、ボイセンベリーの実が色づく頃には雨よけシートを設置するようにしていきたいですね。
雨よけシートを設置する際のポイント
ここまでにお伝えした情報以外に、肝心なポイントがあるとすれば、それは「ベリーの実を、雨よけシートがカバーする範囲内に収めておくこと」ですね。
上の写真のように、前側が開いた状態でも雨の大半を防げていますが、ベリーの実がふくらんで・重たくなって・垂れ下ってくると、外側にはみ出してくることもあります。
ときどき様子を見て、ベリーの実が「雨がかからない範囲内」に入っているように確認&位置調整してあげてください。
雨よけシートを設置する時期は?
「雨よけシート」を設置・撤去するタイミングは次の通りです。
開花期~実が色づく前に設置する
春、ベリーの花が咲いて、受粉した花から順に「緑色の小さな実」が誕生します。その頃が、雨よけシートを設置するタイミング。
ボイセンベリーの実の色は「緑→ピンク→赤」と変わっていきます。遅くても、緑からピンクになる頃までには、雨よけシートを設置しておきたいですね。
実が緑色のうちは、雨に降られても傷みにつながる様子は特に見られません。しかし、ピンク色以降は、雨に降られるとシミのような跡が残ったり、硬化することがあります。
ということで、実が色づく前に「雨よけ」を完了しておきたいですね。
私は何でも早めに終わらせるのが好きなので、ボイセンベリーの花が咲き始める5月上旬頃に雨よけシートを設置しています。
収穫が終わったら取り外す
ベリーの実の収穫が終わったら、「雨よけシート」は取り外してしまって大丈夫です。
ボイセンベリーやブラックベリーの収穫が終わるのは、だいたい6月末~8月頃の暑い時なので、実が無くなったら1日でも早く「雨よけシート」を外して涼しくしてあげたほうが、ベリーの木にとっては良いと思います。
蒸れを好む植物は少ないです。「雨よけシート」を外して・風通しを良くして、ベリーの木を健康に保ちましょう。
また、収穫が終わったら、いわゆる「お礼肥」として肥料を施したり、「夏剪定」をするタイミングです。収穫が終わった後も、必要なお手入れを続けていきたいですね。
まとめ
ということで今回は、ボイセンベリーの鉢に『雨よけシート』を設置する様子をご紹介しました。
ベリーの木を栽培している支柱に雨よけシートを追加するだけのことですが、いろいろと考えるべきことや、留意点もありますね。
また、雨よけをするだけで、実が傷むことを減らして、良い状態で収穫できることが多くなるので、木苺系のベリーの木を栽培する上でとても大切なポイントだと思います。
以上、お伝えした内容が、あなたの植物の雨対策の参考になればと思います。
こんな便利な雨よけセットも
今回ご紹介したのは「狭いスペースで栽培しているボイセンベリーに雨よけシートを設置する様子」でしたが、
広い庭や畑など、もっと広い設置スペースで栽培している場合は、こんなセット商品もありますよ。
これなら、植木鉢や栽培場所をハウスでまるごと囲むことができます。風通しも良さそうですね。
私もこのようなセットを使いたいな~と考えていたのですが、うちの庭は狭いので、既存の支柱に雨よけシートを設置する方法を選びました。設置場所の広さにあわせて最適な方法を選びたいですね。