シリーズ「愛犬の介護の記録」は、筆者のかつての愛犬ポピィについて書いた過去のブログの記事を再構成してこのサイトに転載したものです。
必要な人とワンちゃんのお役に立てれば幸いです。
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愛犬の老いの表れと対応
犬も人と同じで、年をとると、老いが次第になんらかの「症状」として表れるようになります。表れる症状やその順番は犬によって様々であると思います。
耳が聞こえなくなった
私の愛犬ポピィの場合は、まず耳が遠くなりました。名前を呼んだり声で指示をしても反応しなくなり、手を叩くような大きな音にしか反応しなくなりました。
犬の耳が聞こえないということにこちらが慣れるまではイラつきがちですが、理解してあげるべきです。声でコミュニケーションを取ることをやめました。
そのうちに、大きな音にも反応しなくなり、完全に聴力を失ったようでした。聴力は失いましたが、代わりに大嫌いだった「雷」を恐れることもなくなりました。
白内障になった
次に、眼が濁ってきました。白内障です。ゆっくりと進行するので、完全に失明するまでには時間がありました。
白内障は、手術で濁った水晶体を摘出して人工レンズを入れるという治療ができますが、気軽に手術しましょうという問題でもありません。
動物にとって手術は大きな苦痛になります。老犬の場合、「余命」と「治療の苦痛やリスク」を天秤にかけて、治療をしないという選択も普通にあります。
私は愛犬ポピィの白内障の治療(手術)をしないという選択をしました。手術の苦痛やリスクが無い代わりに、この後長生きした場合に失明する可能性があるということです。
その代わりというか、白内障の進行を遅らせる「目薬」というものはあるので(大きな効果は期待できない)、失明するまでの間、慰め程度に点眼を続けました。
白内障発症初期の頃は、特に問題は起こりませんでした。症状が進行するにつれ、特定の状況で極端に見えにくいことがあるようでした。
視力の低下が障害になったのを最初に実感したのは、階段を怖がって下りられなくなったことでした。勇気を出して階段を自力で降りようとして転げ落ちたことがありました。階段の登りは大丈夫のようでしたが下りられないので、以後一人では2階へ行かせないようにしました。
2階へ連れて行くと、降りられないという認識や転げ落ちる恐怖からか、怯えるようになりました。この時点ではその他の日常生活では必要な最低視力が残っていて、人の顔も認識していました。
慢性腎不全が発覚した
14歳のとき、突然ひどい血便をし、治ってはまたなるというのを3ヶ月で3度繰り返しました。3度目の時に、これは何か重大な原因があるに違いないということで詳しく検査をした結果、腎不全を発症していることが判明しました。
慢性腎不全で、普通ならとっくに死んでいるレベルの血液状態にもかかわらず、体はそれに耐えて強くなっていました。
その後は、薬と専用食で腎機能を補いながら生きてゆくことになりました。悪くなった腎臓が治ることはありませんが、腎不全のために苦しむことが無いようにすることが最大の目的です。
腎不全発覚後の療養生活の要点は、残された腎臓の機能を1日でも長く維持して、元気でいられる時間を少しでも長くすること。もし叶うなら、腎臓の機能が終わって苦しみに飲まれる前に、寿命がきて安らかに逝ってくれたら幸いであると考えていました。
運動能力が低下した
愛犬ポピィは跳躍力が高くて、体の大きさからは信じられないような高さを飛び跳ねる犬でした。
それゆえ足腰は強靭で、ジャンプで怪我をするようなこともありませんでした。
そうやって、それまでは猫のようにぴょんぴょんと跳び乗っていた椅子やベッドに、次第に上手く跳び乗ることができなくなってきました。
すばしっこさはあるものの、年相応の筋肉の衰えが感じられるようになりました。
でも、以前より散歩が好きになった
このような色々な「老いの症状」が表れはじめたこの頃から、なぜか散歩をとても喜ぶようになりました。
健康でいられることや生きていることの素晴らしさに気が付いたのだろうか。いや、それは私のほうでした。
そうして、天気の良い日は毎日散歩に行くようになりました。
以前は外に出れば「兎跳び」のように全力で走るスタイルでしたが、「速歩き」のスタイルに変わっていきました。
以前は散歩に出ても短時間走ってすぐに終了でしたが、とても長い時間外を歩くようになりました。
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