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愛犬の介護の記録 vol.5|愛犬の老いの進行と対応

シリーズ愛犬の介護の記録」は、筆者のかつての愛犬ポピィについて書いた過去のブログの記事を再構成してこのサイトに転載したものです。

必要な人とワンちゃんのお役に立てれば幸いです。

このシリーズの記事一覧

愛犬の老いの進行と対応

腎臓を労わる療養生活

腎不全の発覚後は、腎不全による症状と腎機能のさらなる低下を抑えることが最重要課題になりました。そのための飲み薬と腎臓サポートフードを口にする療養生活を始めました。

また、それまでは犬用おやつなど色々なものを口に入れていましたが、ここからは薬と専用食と水だけが許されるものになりました。

専用食による療養生活をはじめたら、すぐに腎不全による症状は治まって、愛犬ポピィは日増しに元気になっていきました。

薬と専用食のおかげで若返ったかのように元気になったのでした。


腎不全が表面化するまでは気が付きませんでしたが、腎機能の低下にともないポピィは徐々に元気がなくなっていたのだということが判りました。

これは重要な発見でした。「老犬だから元気がないのは普通」と思いがちですが、元気が無いのには理由があるということです。どこも悪くなければ、年をとっても最後まで元気な犬もいます。

ともかく、ポピィはそれまでより元気になって、事実上「腎臓病」という爆弾を抱えてはいるものの、療養生活開始後はむしろ以前より元気になって、散歩が楽しくなりました。

白内障の進行

白内障が進行して、家の中で物にぶつかったりするようになりました。全てのものがなんとなくしか見えていない状態のようでした。完全に失明することを受け入れる準備をしました。

失明後の生活のために、行動範囲を制限して安全を確保するガイドウォールを設置しました。

犬の生活のすべてが短い動線で成立するように変更して、眼が見えている間にそれを覚えさせました。行動範囲に余計なものや障害が無いように徹底しました。特に匂いの存在に気をつけました。

残された視力の恩恵

視覚というのは面白いもので、視力が低下して1%くらいしか見えていなくても、その1%の視覚を頼りに物を見たり認識したり、歩行など自身の行動を実行することができます。

0%(失明)と1%(視力あり)はまったく異なる世界だといえると思います。

たとえば、磨りガラスのむこう側で人が動けば、人がいるということは認識できますし、場合によっては何をしているかまで想像することもできます。しかしカーテンを閉めれば、その向こう側のことは、たったの1%も認識するこはできません。0と1の大きな違いです。

愛犬ポピィは視力が低下する中で、そんな残された最後の視力に頼って生活していました。

見えないことに慣れるには時間が必要で、「見える」と「見えない」の間を彷徨っていました。視力を完全に失うまで、きっとぼんやりとしていただろう私の顔をじっと見つめていました。

新たな老化の症状

徐々に目が見えなくなりながら、腎臓を労わる療養生活を続けて、安心して元気に過ごしていたある日、ポピィは突然ぐったりとして、痙攣を起こして泡を吹きました。

すぐに病院に連れて行って先生に診てもらいました。

病状は、かんたんにいうと老化に伴う脳や神経の異常・暴走であるということが判りました。もっと乱暴にいえば脳の「ボケ」に近いものらしく、となると通常は治療らしい治療法もないといいます。ともかく、難しく厄介なものらしく、この症状が出ると、そのまま死ぬこともあるそうです。

その後は3日程様子を見ることになりました。ぐったりとして、自分で立ち上がれなくなり、腹痛を訴え、下痢をして、食事ができない日々が続きました。はっきりと死を覚悟しました。

先生に経過を伝えると、もしかすると「これが効くかもしれない」と不思議な薬を出してもらいました。その薬は当時まだ新しく、「薬」としては登録されておらず、「犬用のサプリメントの一種」として供給されていると聞きました。

どのような効果が期待できるサプリかというと、先生は次のようなお話をしてくれました。

先生に聞いたお話

同じ動物病院の患者に、年をとった大型犬がいたそうです。

体調を崩してほぼ寝たきりになって、自分で歩くことができず、病院に来て診察室に入るのにも大人2人がかりで抱えられて運び込まれるような状態だったそうです。

その犬にこのサプリを処方して10日程経った頃、再び来院したそうです。

その時は、その犬はすっかり元気になって、ピンピンした様子で診察室のドアを自分で歩いて入ってきたそうです。これには飼い主も、先生も、その犬を知る誰もが驚いたといいます。

その後その犬は元気に暮らして、この当時その犬は存命であると聞きました。

これは、私が先生から説明を受けた話を私のことばで書いたもので、曖昧な点があるかもしれません。

「びっくりするようなことが起きた」「ポピィちゃんもこれで元気になるかもしれない」と、先生が目を輝かせて話していたのを覚えています。

それほど病状が似ていて、この薬が効くという期待が持てたのだと思います。

そして、この日から私は愛犬ポピィにこの薬を飲ませはじめました。

粉末で1包あたりの量がかなり多い薬だったので、口の中が粉だらけになって、飲ませるのが大変な薬でした。オブラートに包んで喉に入れたりしましたが、それも苦しそうで、のどに詰まらせたり事故の原因になりかねない。

一度にすべてを飲む必要が無い薬だったので、1包を何度にも分けて飲ませることにしました。

薬の「味」自体は好きな味らしく、嫌がることはなく、ポピィは一日に何度も口を開けてこの薬を飲みました。

それから1週間ほどかけて、ポピィは徐々に活力を取り戻して、普通に歩けるようになりました。そして、またいままでどおりの元気な療養生活を再開することができたのでした。

薬学には詳しくないので私にはさっぱり解りませんが、この「魔法のような薬」が愛犬ポピィを救ってくれました。この薬は予防的に飲み続けると良いそうで、その後最期まで飲み続けました。

それが何という名前の薬(サプリ)だったのか私は覚えていません。クリーム色というか、薄い黄色の粉末のものでした。

下の写真の左上にある「薄黄色の粉薬」がそのお薬(サプリ)です。

お薬の写真

完全に失明し、見えないことに順応

腎不全の療養生活をはじめて、そして新たな老いの症状を乗り越えた頃、愛犬ポピィは完全に視力を失いました。

失明すると同時に、匂いと記憶による空間認知力が鋭くなって、見えないことに慣れて、次第に目が見えているかのように生活できるようになっていきました。

視覚に頼るのを止めると、嗅覚によって効率よく情報を集められるように行動するようになりました。

具体的には、立ち止まって連続的に鼻を効かせながら頭の向きを何度も変えることで、物の位置関係や自分の位置を把握しているのが判りました。まるでレーダーのようでした。

物にぶつかったり、寝床に帰れなくなったりすることはほとんどなくなり、本当にまるで見えているかのように上手に歩いていました。なんとも犬らしい、驚くべき能力でした。

ポピィが見えないことに順応して健気に生きている姿に喜びや安心を感じる一方で、視力を失って、もう私の顔も見えなくなったということを実感すると悲しかったです。

見えないことによる不安をやわらげるよう努めました。耳も聞こえないので、声で安心させることはできませんでした。できることは、触れることと、匂いを嗅がせることのみ。

だから、「タッチと匂いによるコミュニケーション」を取ることにしました。

眼が見えなくなってからも散歩は大好きで、リードを通して伝える合図で上手に歩きました。

私がポピィを補助して、ポピィは私を信頼して、阿吽の呼吸で歩調を合わせて歩く。私とポピィがやっていたことは、盲導犬の逆のようでした。

現状維持と不調と回復

こうして、「目が見えない・耳が聞こえない・腎臓に爆弾を抱えている」という3つの問題を抱えながらの、晴れときどき曇りな生活をその後3年ほど続けました。

基本的にはどの症状も良くはならないが、現状を受け入れてそれ以上どこも悪くならないように暮らしてゆくことが大切でした。愛犬ポピィは頑張って必要な薬を飲み続けました。

ポピィは病に倒れてから逝くまでの3年の間に、腎不全の症状で再び体調を崩したり、脳と神経の老化による痙攣を起こして生気を失うということを数回繰り返して、その度に私は死を意識しましたが、何度でも復活して元気を取り戻し、最愛の家族でいてくれました。

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