シリーズ「愛犬の介護の記録」は、筆者のかつての愛犬ポピィについて書いた過去のブログの記事を再構成してこのサイトに転載したものです。
必要な人とワンちゃんのお役に立てれば幸いです。
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愛犬との最後の2ヶ月
「老い」と「病」に倒れながらも、また元気になって、健気に生きた私の愛犬ポピィ。
変化する体調の波を上手く乗りこなしていつも元気でいられるように、私はポピィを支え続けました。
そんな療養・介護生活を続けてゆくうちに、愛犬ポピィはどんどん元気になっていきました。
目が見えなくても散歩が大好きでとても喜んだので、雨の日以外は毎日散歩に行きました。
ある日、元気がなくなって、体調を崩した
穏やかな日常が、しばらく続いていました。
でもある日、散歩の終わりに突然へたりこんで、「もう歩けない」と目が言っていました。
その日を境に、愛犬ポピィは元気が無くなり、一日のほとんどを寝床で過ごすようになりました。
その翌日から、ほかにも異常が出てきました。
まず、断続的に小さな痙攣を起こすようになりました。起きていても眠っていても、脚や頭がぴくっと動くことが多くなりました。
ぴくっとするのみで、激しい痙攣や失神、泡を吹くなどの激しい症状ではなかったのが幸いでしたが、この小さな痙攣はなかなか止まりませんでした。
それから、時々性器から無色透明のローションのような液体がどろりと出るようになりました。これは尿とは違い、出ている感覚は無いらしく、本人はまったく気が付いていないようでした。おむつをするほどではないので、液体が出るたびに拭き取るようにしました。
一度その液体を採取して病院で調べてもらったところ、血液や雑菌の反応は無く、粘液の異常分泌が起きているということでした。
痙攣も、粘液の異常分泌も、どちらも老化の最終的な症状の1つのようでした。
そうして、元気を失って体調がおかしくなってから1ヵ月が経った頃、愛犬ポピィはまだ少しフラフラしていましたが、外を歩きたいようだったので、ひさしぶりの散歩に出て、ゆっくり少しだけ歩きました。
この時の嬉しそうな様子を私は今もよく覚えています。
こんどは私が急病に…
ところがその数日後、今度は私が体調を崩し、高熱を出して救急病院のお世話になるなどして大変でした。
愛犬ポピィの介護をしなければならない私は病気をしている場合ではありませんでした。私はそれから5日程で体調を取り戻しました。
私が急病から回復したあと、もう一度散歩に行ったのが、長年ともに歩いた愛犬との最後の散歩だったように思います。
それからは毎日、愛犬ポピィは家の中でのんびりと過ごして、気持ちよさそうに眠って、静かに穏やかに暮らしました。
最期の時は、突然に
そして、10月21日の未明、私の愛犬ポピィは発作的に痛みを訴えて泣き叫びました。心臓発作のようでした。
呼吸と心臓が止まったのを確認した私は、いったんは蘇生しようと試みましたが、そのまま静かに逝かせてあげることにしたのでした。3時54分、愛犬ポピィは旅立ちました。私の腕の中で。
私は長年ともに生きた愛犬の、その命が消えてゆくのをこの目で見届けることができました。この手で触れている愛犬から、命が消えてゆくのを感じました。
それから、愛犬ポピィを愛用の布団でくるみ、2階へ連れて行き、眠っている家族を起こして、ポピィが旅立ったことを伝えました。そして家族に、まだ温かい愛犬ポピィの体に触れてもらいました。
愛犬ポピィのあの温もりを、毛並みの感触を、私は忘れることはないでしょう。
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